岩国でAbEND
粛々とした一市長選挙で終わらせたかった自民党の思惑とは裏腹に、橋下大阪府知事が仕掛けた場外乱闘により、注目度がアップしてしまった岩国市長選挙。新聞も情勢を一面で伝えるようになるなど、二週間前に比べると注目度が上がっている。現在政府与党が全力を挙げて、現職市長の井原候補を潰しにかかっている。一部では井原市長に対する「国策捜査」の噂まであったくらいだ。本来のパワーを政府や与党が持っているのなら、まさしく鎧袖一触の選挙となっているだろうが、現在政府・与党ともにパワーダウンしているため、必死さと言うか迫力が感じられない。その原因の一つは、いまや絆創膏大臣より票が逃げてしまうKYキング・安倍前首相が実質的な責任者だからだろう。森元首相もしきりに安倍氏に「君の責任でやれ」とハッパをかけているそうだ。安倍氏も乗り気で復活の試金石と見ている節がある。
そしてもう一つの原因が、基地移転容認派が擁立した候補がぱっとしないことだ。岩国市議を1期の途中で辞めて、衆議院選挙に出馬し、当選した福田良男前衆議院議員。小泉チルドレンの一人である。明らかにタマが無いことを露呈していると言ってよいだろう。いくら岩国出身とはいえ、国会議員より格下の市長に転出する気になったものだと思う。古賀選対委員長あたりに何か言われたのかもしれない。
福田氏の出馬によって空白になった選挙区に、早速前回選挙で惜敗率99.4%で敗れた平岡秀夫民主党議員(比例)が出馬表明を行った。彼は井原氏と同窓で、かつて岩国市長選挙で戦ったこともある。彼がもし井原氏の応援にまわれば、井原氏は心強いことだろう。小沢代表があんな感じだから、民主党は党で井原氏を応援することは無い。一方対する自民党は現在までに対抗馬を擁立していない。さすがに福田氏への保険、では有権者は納得しないだろう。実のところ平岡氏に勝てる候補がみつかっていないのではないか。そのような候補をもしリストアップしていた場合、福田氏を擁立するのではなく、その候補を擁立しただろう。もちろん4月に行われるであろうこの補選の責任者も安倍前首相である。
自民党が後任の候補に検討している人物は2人。林芳正参議院議員と岸信夫参議院議員である。衆議院議員への転出なので悪い話ではないが、タコが自分の足を食っているようなものだ。アッキーを擁立するぐらいしたらどうだろうか。
実際安倍氏は、この2人を衆議院議員に転出させたくはないはずだ。林議員は、4世の世襲議員で、安倍氏とも近いが、東大-ハーバードと文句なしの学歴を誇る秀才である。ろくに勉強せずにここまで来てしまった人物とは格が違う。安倍氏の醜態に失望した良識ある保守陣営の山口県民から将来の首相候補として期待されている人物であり、彼が衆議院議員になると地元の安倍再登板待望論(まああればの話だが、本人はあると思っているようだ)が、萎んでしまう。また実弟岸議員は、参議院選挙に出馬することにすら安倍氏が難色を示していたほどである。岸信介元首相の孫という看板で総裁選を勝ち抜いた安倍氏にとって、実際に岸の名を冠す弟は最大のライバルでもある。ゴッドマザー洋子女史が、入れ込んでいたのも安倍氏ではなく岸氏なのだから。本家本元で売り出されたら完全に蚊帳の外だ。
こうしている間にも時間は過ぎていく。総選挙が近いので声をかけにくいと言う事情もあるだろう。しかしここで2連敗したら、安倍氏の影響力は地に落ちるだろう。単なるロートル議員としてしか生きる道は無くなる。今の所対立候補はいないが、総選挙で落選もあり得ないことではない。
防衛省の高官は、移転問題が市長選挙に影響されることは無いと語った。仮に井原氏が勝っても苦難は続く。しかし安倍氏の苦難の旅は終わってしまうかもしれない。終わらせてあげよう。
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