ACCJの新人事に見るヒラリーシフト
2月5日のメガチューズデイでは、地元ニューヨーク州や大票田カリフォルニア州で勝利を収めたヒラリー・クリントン候補だが、500万ドルの身銭を切っていたことが明らかになる等、資金面でオバマ候補と差がつきつつある。その証拠に9日のネブラスカ州、ワシントン州、ルイジアナ州の予備選では、ダブルスコアの大差をつけてオバマ候補に敗れてしまった。獲得代議員票でまだ勝っているものの、熾烈さを増すネガティブキャンペーンに耐えられるか疑問である。というのもクリントン候補は、批判材料に(夫の分も含めて)事欠かないからだ。
ニューヨーク州の勝利は、竹馬の友サラ・エーデルマン女史(彼女は、左派系ユダヤ団体Americans for Peace Nowを設立した)と野心家スピッツァー州知事(州知事選でクリントン候補は、全面支援した)の力によるものであり、カリフォルニア州では、弟トニーの妻ニコル・ボクサーの母親である、バーバラ・ボクサー上院議員の力によるものだろう。勝利を当然視されていた州でもあり、それをもって優勢と判断はできない。オバマ候補のような支持の広がりを持たないからだ。
日本政府はアメリカ民主党とろくなパイプを持っていないため、マケイン上院議員(共和党)が勝利するのを心待ちにしている、という情けない状況であるが、アメリカの対日ロビー団体であるACCJ(American Chamber of Commerce in Japan / 在日米国商工会議所)は、ヒラリー・クリントン大統領を心待ちにしているようだ。この団体は、USTRの出先機関のような性格を持つので、アメリカの議会勢力に即したシフトになるのは当然であるが、クリントン臭の強い企業から今年の役員が選出されている。
President
Allan D. Smith /AIG Life Insurance
Vice Presidents
Michael J. Alfant / Fusion Systems Japan
Laurence W. Bates / GE Japan
William R. Bishop, Jr. / Wyeth
Michael D. Bobrove (The Governor of Kansai) / Nihon Medrad
Kumi Sato / Cosmo Public Relations
Mark F. Schwab / United Airlines
Michel D. Weenick (The Chairperson of Chubu)/ NGO Architecture
Treasurer
Nasir Majid / Price Waterhouse Coopers
Executive Director
Samuel H. Kidder / US Ministry of Commerce
Governors
Vicki L. Beyer / Morgan Stanley Japan Securities
Ravi Chaturvedi (The Chairperson of Kansai) / Northwest Asia / P&G
Charles M. Duncan / Japan, Continental Airlines
Christopher K. Ellis / Chrysler Japan Company
James Foster / Microsoft Japan
Harry Hill (The Governor of Chubu)/ Oak Lawn Marketing
Tad Johnson / Pratt & Whitney Aftermarket Japan
John C. Kakinuki / GE Consumer Finance
Sharon Baker Morin / State Street Trust and Banking
Douglas L. Peterson / Citi Bank
Nicole Piasecki / Boeing Japan / Boeing International / The Boeing Company
Jay Ponazecki / Morrison & Foerster
Jim Weisser / Weisser Consulting
Ira Wolf / Pharmaceutical Research and Manufacturers of America (PhRMA)
このシフトを見ると、今年の対日要求で力点が置かれる部分は、保険・医療・物流・航空・そして牛肉であることが分かる。
まずは保険・医療だが、これは長年の対日要求であり、詳細に書くのは省くが、民主党候補の中で保険業界と製薬業界からの献金が一番多いのが、クリントン候補である。90年代の国民会保険制度導入失敗で懲りたクリントン候補は、見事保険業界や製薬業界に取り込まれた訳だ。会頭がAIGスター生命、副会頭にGEやワイズレダリー、日本メドラッドなど保険・製薬・医療機器メーカーがずらりと並ぶ。理事にもP&GやPhRMAなどの重役が名を連ねている。
次に物流だが、これはRFID(Radio Frequency IDentification / 非接触型無線タグ)を採用したEPC(Electric Product Code)システムの採用を日本に迫ることだろう。日本でも同様の取り組みとしては、トロンの開発で知られる坂村健教授が中心となって設立されたユビキタスICセンターと国土交通省の共同プロジェクト「自立的移動支援プロジェクト」があり、浅草等で実験が行われている。このシステムは実はアメリカのEPCよりも優れているようなのだが、トロンの時と同様、経済産業省や日本インターネットの父と言われる村井純慶応大教授などおなじみの面々が潰しにかかっている。
このRFIDの技術で先行する会社は、エンロン事件で解散させられたアーサー・アンダーセンのコンサルティング部門の存続会社であるアクセンチュアである。アクセンチュア社は、アメリカ大使館の隣にオフィスを構え、US VISITの日本版であるJAPAN VISTのシステム構築(10万円という怪しげな入札が国会で取り上げられたこともある)や最近では年金システムの受注を狙う等、日本政府が発注するシステムへの食い込みに熱を上げている。さすがにアクセンチュアは人材を送り込んではいないが、その代わりにフュージョン・システムズ・ジャパンから人材が送り込まれている。
これとクリントン候補の関係は、アメリカにおけるRFIDの開発企業を見ると一目瞭然である。それはペンタゴンとウォールマート及びIBMである。ウォールマートは、クリントン前大統領の地元アーカンソー州に本拠を置き、そこで顧問弁護士として、創業者サム・ウォルトン(故人)氏から「かわいいお嬢さん」として寵愛されていたのが、クリントン候補である。ウォルマートが日本上陸を果たすきっかけとなった大規模小売店舗法の改正は、クリントン政権時代に行われている。何をか況やである。
またRFIDを用いたシステムの照合に使われるデータベースの供給企業の一つに、アーカンソー州に本拠を置き、クリントン夫妻の有力な後援企業でもある大手データマイニング企業アクシオム社がいる。この企業は、ペンタゴンの一部局であるDARPA(国防高等研究計画局)が押し進めた「全情報認識プロジェクト」の協力企業の一つである(もちろんアクセンチュア社もその一つ)。このプロジェクトは現在解散しているが、そこで所長を務めたのが、ジョン・ポインデクスター元国家安全保障担当大統領補佐官である。彼は現在「アメリカ進歩センター」というシンクタンクの所長を務め、クリントン候補のブレーンの一人である。
航空企業は、日本に進出しているアメリカ系航空会社が勢揃いしている。副会頭にUA、理事にノースウェストとコンチネンタル航空である。安倍政権が提唱したオープンスカイ戦略は、中国との関係強化を念頭に置いたものだが、アメリカ側はそれを許さず、まずアメリカに対して拡充する発着枠を渡すよう要求している(その隙にアメリカは中国への路線拡充を果たす狙いである)。
最後の牛肉だが、副会頭に人材を送り込んでいるコスモPR(注:日本の会社)の最大の顧客が、USMEF(米国食肉輸出連合会)である。USMEFの対日PRを担当しているのがコスモPRだ。その牛肉とクリントン候補の関係だが、アーカンソー州に本社があるタイソン社は、世界最大の食肉パッカーであり、USMEFの最大スポンサーである。もちろんクリントン候補の有力後援企業でもある。タイソン社は元々チキン専業のパッカーだったが、経営不振に陥った大手食肉パッカーIBP(Iowa Beef Power)社を吸収合併(政治的に無理矢理吸収させられたようだ)し、ConAgra社を抜いて世界一の食肉企業となった。ちなみに日本最大手の日本ハムは、世界第四位である。
むろん上記の業界は、オバマ候補にも献金はしているだろうが、クリントン候補ほどの結びつきは感じられない。オバマ候補が勝てば、その要求のパワーが違ってくるはずだ。AERAはヒラリー・クリントン大統領を「女性」という理由だけで、心待ちにしているようだが、こういう背景を知っているのだろうか、疑問である。
蛇足になるが、ACCJの中部支部の理事に人材を送り込んでいる、オークローンマーケティングという会社がある。この会社は、インターネット通販やTV ショッピングの会社で知名度はあまりないのだが、ビリーズブートキャンプの販売窓口である。01年に発売され、日本のオタクの間で大いに流行ったアダルトPCゲーム『君が望む永遠』のストーリーを換骨奪胎し、雅夢の『愛のかげろう』のパクリを主題歌に、藤原いくろう氏の『deep sea』のパクリをBGMに用いた粗悪ドラマ『冬のソナタ』に主演したペ・ヨンジュン氏の韓国での扱いはB級だが、ビリー・ブランクス氏のアメリカでの扱いはそれ以下である。何故売れたのか分からなかったが、少し得心した。
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コメント
お早うございます。TB通りませんのでコメントです。下記アップしました。
「東南アジア 海兵隊 児童買春」で検索するとブログ検索エンジン10個の内8個では全然検索結果が出てこない、この情報統制?
http://yuhodo.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_71b6.html
時事川柳とか、政治小話とか短文が腐敗政権を脅かすことだってある。今twitterが面白い。長短、硬軟織り交ぜてやりたいね自End。
http://yuhodo.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/twitterend_54eb.html
140文字のメッセージで、「トゥイッター(twitter )」は災害時のちょっとしたプライベート連絡システムにも使えそうです。
http://yuhodo.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/twitter_eea2.html
「岩国市の皆さん、井原さん、お疲れ様でした~350円1000万人寄付運動の今後について」がアップされてます。
http://yuhodo.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/3501000_3002.html
2005・9・11郵政選挙(ワンフレーズの騙し)⇒岩国(札束で頬引っ叩きの脅し)、騙しから脅し次はマスコミ使って再度騙しの筋書き。
http://yuhodo.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/2005911_7c5b.html
投稿: SOBA | 2008年2月13日 (水) 07:08