China's OMEN NO.88888
インフレが進行中の中国経済
中国経済は昨年の秋頃から景気減速が鮮明になってきた。直接の引き金は、中国政府によるバブル退治のための金融引き締めで、不動産市況と株式市場が大きく冷え込んでいる。株式市場の下落率は、サブプライム問題の影響を受けている国々の下落率の平均よりはるかに高い。しかしそれよりも深刻なのは、食料品と資源のインフレだ。特に今年の世界各国の穀物の備蓄率は、ここ半世紀くらいで最低の備蓄率で、ただでさえ供給が逼迫している上に、ドル安の影響でウォン安となって輸入費が値上がりしてしまっている。そして農業地帯である四川省が地震で大打撃を受けた。中国は世界一のコメ生産国/消費国であるから、今回の地震で自給が叶わず輸入する羽目になってしまったら、米の国際価格が超暴騰するだろう。隠し球のミャンマーもサイクロンで作付けは期待できない。ただでさえ米不足で混乱している東南アジアとアフリカは、更なる混乱が起こる可能性が高い。
コモディティ品がデフレの中国経済
輸入に頼る食糧や資源がインフレの一方で、中国国内で生産する日用品はデフレの傾向がある。ただし部品や原料の輸入費が上がっているので緩やかに価格が上昇していくだろうが。中国の経済発展は、(先進国と比べて)後発のメリットを存分に享受して成長してきた。合弁企業等を通じて先進企業のノウハウを得て、世界の工場としての地位を確立していった。しかし今後発のデメリットに喘いでいる。過剰な設備投資によるコピー品の横行は、自由資本主義のルールの浸透が遅れていることが原因であるが、それらコピー品(特に中国が得意な電化製品、繊維製品)が市場にあふれることで、激しい価格競争を企業や販売店は強いられている。市場の成熟化のスピードが、先進国のケースと比べて極端に速いのである。これでは企業は国内では利益が上げられない。13億人の市場の実態である。
アメリカ経済の減速が、輸出企業に打撃を与える
昨年夏からのサブプライム問題は、未だ底が見えず、ついにアメリカの実物経済にも影響を及ぼし始めている。不動産の差し押さえが飛躍的に増加し、企業倒産も増え、失業率が悪化した。ブッシュ政権やFRBも努力しているが、追いついていない。そこに原油高が加わってさらに見通しが暗い。日本を始めとする世界各国は、アメリカ人の旺盛な消費により経済成長を実現できたが、最も恩恵を受けたのが中国である。中国の輸出のおよそ20%、貿易黒字の80%近くをアメリカ一国だけで占めている(06年)。これは異常な偏り方であり、すでに今年2月の対米輸出は前年同月に比べ5.2%減っている。欧州経済もサブプライムの影響で減速する。経済成長率の目標数値を上回るか怪しくなってきた。
チベットの騒擾と天安門事件は同根
中国当局の発表では、国内の人民向けにこれらの状況がきちんと説明されていると思えないが、市況を中国人民は感じ取っている。当局が労働組合の保護を打ち出したり、雇用や解雇のルールを厳格化するなどの施策は、労働者保護と言うよりはインフレ対策の側面が強いのである。それでも追いつかない。天安門事件の時は、2年連続で消費者物価指数が2桁を超える上昇を見せたが、現在の状況も当時と似ている。天安門事件は、学生の集会にインフレに不満を持った労働者が加わり、何千人単位の集会になったため、事態を重く見た中国共産党が、人民解放軍を投入して鎮圧したのである。今年3月のチベットの問題も、極端な漢人優遇政策と生活苦に喘ぐチベット人同胞を救うため、10人ほどの僧侶が、3月10日に政府に陳情に言ったのが発端だった。しかし彼らを地元政府が全員拘束してしまったため、3月14日に拘束された僧侶の解放を求めて、100人以上の僧侶がデモ行進を行ったのだ。私は決して欧米の情報機関が焚き付けたのではないと考える。それ以降の騒ぎは報道されている通り。
中国とIOCはオリンピックを中止すべき
一向に解決の道筋が見えない中国の格差問題。政府は社会保障費を増やす等の対策を行ってはいるものの、インフレや経済減速で中国人民は恩恵を感じないのではないか。それに加えて大雪・地震の天変地異。地震では、余震による建物の倒壊、自然ダムを含めたダムの決壊による洪水・土石流、被災地での疫病や感染症の流行の問題が懸念される。勿論壊滅的打撃を受けた核関連施設の問題も重要だ。加えて手足口病なる病気が子供たちの間で流行しており、死者も出ている。鳥インフルエンザ、環境汚染、少数民族問題などどうにもならない問題がいっぱいだ。果たして中国政府は、北京五輪をやるのだろうか?やる気満々である。地震が起きたとき、真っ先に『五輪の競技施設は地震がきても大丈夫だ』と声明を出した。まだ全て完成した訳ではないだろう。地震の復興のため、建材需要が間違いなく上がる。取り合いになる。その時コスト上昇分をどうするのか。施設建設の追加出費を拒むようなら、手抜き工事をやられかねない。地震復興の檄にオリンピックの成功祈願を絡ませるコピーも目立つ。挙げ句、五輪ロゴ入りTシャツを着たボランティアたちが復興にあたる。被災者はオリンピックどころではないのだ。
きらびやかな演出と熱狂で五輪が催される一方で、家を失った被災者はテント暮らし。彼らにテレビは支給されるだろうが、どのような思いでテレビ中継を見るのだろう。北京は揺れはしたものの、被害を受けた訳ではない。何たる落差と感じるのではないか。しかも会期中は被災者ではない中国人民は、オリンピックに夢中になって地震のことを忘れてしまうのではないか(日本だったら間違いなくそうなるだろう)?何と言う残酷なコントラストだろうか。
オリンピックを中止して、復興支援に注力すべきではないだろうか。もし人民の不満が爆発するようなら、胡政権は危うくなる。
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コメント
こんにちはHA-NAMです!!
興味深く読ませていただきました!!
ベトナムでもインフレが加速しています。
ベトナムについてのブログを書いています!!
tbさせていただきます!!
時間のあるときに見てみてください!!
投稿: HA-NAM | 2008年5月24日 (土) 13:13